『聲の形』 大今良時

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毎日退屈と戦う小学6年生・石田将也。
彼の日常はだんだんと退屈に浸食されはじめていた。
ある日将也のクラスに転校生としてやってきた西宮硝子は耳が聞こえない。
耳が聞こえない?なんだそれは?なんだその世界は?
「変な奴!」
硝子と接するうちに、将也は彼女を「嫌いだ」と認識する。
いつしかそれはクラスを巻き込む大きな渦となっていた。
そして6年後、将也は再び硝子に会うことを決めた。

小学生の時の話は正直、気持ちよく読み進められるものではなかったですが、全編を通して読む価値のある作品です。
あの頃のアイデンティティなんてどれほど不確かなものだろうと、自分を振り返って思う。
でも出来事は心に確かに残っていく。
色んな経験を経て、人は自分になっていく。
心の周りから色んなものが取り除かれたとき、将也の心には西宮硝子がいた。
あの頃の出来事が、今の彼を作っていた。
自分として生きていくことを決めた将也はとても地道でかっこよかったし、それを見る親たちの立場に立つと、なんとも込み上げてくるものがありました。
年齢的にどうしても彼らの親の立場に引き寄せられることが多くて、そういうところもよく描かれている作品だと思います。
特に硝子の家族はもう表彰したいくらいです。
将也と硝子をずっと応援するしかなくって、最後は涙ぼろぼろでした…