『溺れるナイフ』 ジョージ朝倉

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モデルとして活動する小学生の望月夏芽。
しかし、家の事情で急遽父の地元に引っ越すことになる。
そこは「浮雲町」という東京から5時間のド田舎だった。
今までの自分が埋没してしまいそうな焦燥感に駆られる夏芽。
ある夜、「神さん」が住むという海で出会った男の子・コウに心を奪われる。
「闇の中で白く発光していた、あれは『神さん』だ、『神さん』の使いだ…」
抗いようもなく惹きつけあう二人。
だが、光を放つ二人の運命は思いもよらない出来事により、深い暗闇へと引きずり込まれてゆく    

子どもの頃の、得体の知れない眩しさや、その闇を見た時の絶望感なんかが、強烈に描かれています。
カナちゃんのあのゾクゾクさせる部分なんて、思春期のときにちゃんとあったよな~と掘り返された気分でした。
コウちゃんや夏芽の放つ光に、周りの子たちも自分の光を重ねようとする。
でも、強烈な眩しさ故に、深い深い闇につかまった二人。
コウちゃんがカリスマな分、余計につらかったです。
コウちゃんのユーモアが救いでした。
「コウイチロウ」の「コウ」は硬派の「コウ」のはずなんだけど、さらっとにグイグイきてくれたり、悪ノリし過ぎだったり…
ワイルドな遊びがお好きなようだし、表情とか視線とか、超クールでした。

しかし大友くんは本当によくやってくれた…
君、自信持ちなさいよ。いい男だよ。
小学生のときはただの鼻タレだと思っていたのに。
二次性徴の賜物です。
王道の青春という感じでキュンキュンしました。
まぁ、大きなもらい事故だと思ってその後に活かしてもらいたいものです。

この実写版のキャスティングについてですが、よくぞコウ役に菅田将暉くんを決めてくれました!!
確かにこの人しかピッタリこない気がする。
ていうかピッタリくるのがそもそもすごいけど。
実写化できないような漫画にしようと思って描いた、って作者もおっしゃっているし。
どんな風に仕上がるのか楽しみです。