『声はして涙は見えぬ濡れ烏』 ウノハナ

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会沢はアパートの窓から偶然見た隣人の姿に心を奪われる     
隣人は「久喜宮グループ社長の孫」として有名な烏生田 凛。
周囲に全く馴染まない凛に会沢はお構いなしに距離を詰め、頑なな凛の心をこじ開けていく。
「友達じゃないならいいんですよね? そう 言いましたよね? 俺、すっかりその気です」

ハイブリッド・スターダスト』で登場した聖人の兄・凛と、その秘書・会沢のお話です。
すごい色っぽくて可愛らしい凛が見れます。
ハイブリッド―』がキラキラした空気だったのに対して、こちらはしっとり。
あの凛にピッタリの雰囲気です。
けど、会沢がアメリカ的にカラッとしているので、ちょうど良い具合に湿度が保たれていました。
凛はアメリカ行ってたら、合わなさ過ぎて死んじゃうんじゃなかろうか…
あんなに感じが悪くて、誰にもなびかない凛の可愛さを引き出せるのは会沢しかいない!
「意地っ張り萌え」です。
わたし、BLを読み始めてから、この種の萌えを覚えまして、意地っ張りの凛が心を開いていく様がたまりませんでした。
お父さんに対してずっと一人で抱えていた気持ちとか傷ついていたことなんかが、会沢に包まれて癒されていって、あ、けどそれは小さい聖人も大事な役目をはたしてるのかな?
聖人が一人ぼっちで久喜宮の中にいて、凛がたった一人の味方みたいに無邪気に懐いてきたから、聖人を通してもお父さんを思うことができたんだろうなあ。
凛が泣くたびに、わたしも泣いてしまいました。
そして一番の泣きポイントはやはり会沢との再会シーン…
凛の感情爆発で涙腺はあえなく崩壊です。
あの表情と、会沢の言葉………!!!
心が揺さぶられる場面でした。
あと、凛のお母様もとっても素敵な女性で、隠れた見どころです…!

本編と別に『お兄ちゃんと僕』というお話も入っていて、聖人たちも出てきて4人の仲良しが見られます。
心温まる兄弟のやりとりもステキでした!
末永くお幸せに…!

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