『電撃デイジー』 最富キョウスケ

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たった一人の家族である兄を亡くし、貧乏と戦いながら一人で強く生きる少女・照。
彼女を支えるのは、兄から渡された携帯電話で交わす「DAISY」とのメールだった。
照はある日、窓ガラスを割った代償として、学校の金髪不良校務員・黒崎の下僕として仕事を手伝うことになる。
ちっとも優しくないくせに、照のピンチを救う黒崎の正体とは      

バカな人たちがたくさん出てくる漫画です!
バカじゃない人探すのが困難なほどです。
次から次へと繰り出されるボケとツッコミの応酬。
各人のボケ・ツッコミに対する意識の高さにも頭が上がりません。
中でも照の兄・奏一朗はカリスマ的です…紅林の血、恐るべし。
それだけに、奏一朗と理子さんの未来が途切れてしまったことが悲しすぎる…
死してなお輝き続けるその存在感が、あらゆる笑いと涙の軸となっています。

しかし真の見どころは、至る所に散りばめられた笑いと見事に共存する緻密なドラマです。
幾重にも積み重なった出来事と、それぞれの人物が抱く真実。
「DAISY」という名前が背負うもの。
黒崎と照の間の想いや関係の変化も時間はかかるものの、葛藤も受容もごく自然に、全てが不可欠だと思えるように描かれています。
二人とも、その時々の関係性の中で精一杯のところまで頑張るので、もどかしさはあまり感じませんでした。
むしろ黒崎の態度の切り替えが絶妙に潔くて、何度も気絶しそうになる場面を耐えたほどです。
鼻血も出そうでした。
決めるとこの「決め」がすごいんだもの。
「DAISY」の正体は大した問題ではなくて、「DAISY」という存在が含むたくさんの真実が物語の中で何度も山場を作ります。
どの場面も、この作品ならではの感動がありました。
黒崎と照以外の登場人物たちも物語の中で救われるのが嬉しかった。
アキラにも散々泣かされた…

脇を固める人たちも大好きでした。
ドMのアンディーや薫子(犬)を溺愛する竹田さん、そして清とレナも個人的にとっても気になる…!
清とレナについては欲求不満です!
是非またどこかでお会いしたい!

それぞれのキャラがいろんな思いを味わわせてくれたので、終わってもしばらく名残惜しい作品でした…

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