『天才ファミリー・カンパニー』 二ノ宮知子

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天才高校生・夏木勝幸は父を亡くし、母と二人きりの母子家庭。
母は仕事に燃えるバリバリの企業戦士、勝幸はその頭脳として親子二人三脚で悠々と暮らしている。
ある日突然母が再婚相手として連れてきた荘介とその息子・春は、勝幸の許容範囲を遥かに越える、とんでもないブッ飛んだ親子だった…!

色んな種類の天才や大物がぞろぞろ出てきて活躍する、二ノ宮ワールド全開の作品です!
「のだめ」とかから先に読んでいても全然問題なくいけます!
90年代の作品ですが、全く色褪せることなく最後まで嵐のように大暴れです。
当時の日本の状況などもわかりやすく話に組み込まれていて、勝幸につられて経済の面白さも味わうことができました。
ちゃんと色々見えるとこまで理解したら面白いんだろうな~

経営や経済を軸に動いていくお話ですが、読み詰まるところは全くなく、登場人物たちの天才ぶりが豪快で気持ちいい!
キャラのクセの強さや立ち振る舞いは、さすがとしか言いようがありません。
まともな人は一人も出てきません。
脇役すらも流し見ることを許さない強烈さ…!
有吉くん…大好物でした。
良子ママやアミィや林じぃも終始ブッ飛ばしてて、思えば荘介と春の方がまともだったんじゃ…いや、それも何かが違います。
ヒロインの京子ちゃんもしっかりおかしい子ですのでご安心を。
でもやっぱり一番おかしいのは勝幸ですから!
あの唯我独尊ぶり…誰であろうと他人を虫ケラのように蔑むまなざしがたまりません…
イライラする勝幸からはたくさんの良いセリフが吐き出されて、ヒステリックな言動にはゾクゾクしっぱなしでした。
暗くて冷たくてお金にしか興味がない勝幸…
そんな彼が激しく反発し合いながらも、人間らしく恋に振り回されるところもおもしろかった!
勝幸たちのラストも最高!
最後までヒーヒー笑いながら読みました。

余談ですが、1999年には「あぶない放課後」というタイトルでテレビドラマとして放送されています。
勝幸役は嵐結成前の二宮和也さん!
春役は関ジャニ∞結成前の渋谷すばるさん!
荘介役が岩城滉一さん…!
見ていないのが悔やまれます…今見たい~!