『彼の両性具有独占欲』 カノンチヒロ

Pocket

『僕の両性具有性周期』に続くシリーズ3作目。
同じ大学に進学し、隣同士の部屋で暮らす都月と三上だが、主従のような関係は変わらないまま。
雑な扱いを受けてもかいがいしく都月の面倒を見る三上。
都月が乱れた生活を送るようになった元凶である三上の兄の影が未だに消えず…。

雪野♡一宮カップルとはうって変わって、この二人は今まで色々と鬱積しすぎていて、ふざけてられない感じです。
都月のひねくれ具合がいくとこまでいってしまっているので、三上が不憫で、読んでいて拳に力が入ります。
が、そういうこちら側のパワーも全て、ちゃんと三上が受け止めてくれます。
彼の懐の深さは底なしですから。
なぜ!なぜそんなひねくれビッチを!!と胸ぐらに掴みかかりたい気持ちで一杯ですが、「全部好き」だそうですので仕方ないです。病気です。不治の。
とにかくこのターンは三上の男っぷりがただただ上がるお話です。

都月の人間性に大きな影響を与えた三上兄。
怖くてこんな人の診察室入れないよ!というマッド感…ヘビ男…
幼少時代の可愛い都月はこのクレイジーな男の支配され、歪んだ恋心すら抱いて、それが自分を保つ術でもあったのか…と思うとかわいそうだったな…
都月がたまに見せる無垢な笑顔とか寝言もせつなくって、三上はこれを糧に生き延びてきたのね…健気…と、また三上の株が上がります。
そして、これまで歪ながらもなんとかバランスを保ってきた都月と三上に、このヘビ男爆弾が再び炸裂。
三上がコツコツ積み立ててきた都月への気持ちが満期を迎え、限界突破して三上の血が目覚めます。
そう、監禁しちゃいます。
さすが兄弟。
まあ、ここまでもつれた関係をほどくにはこのくらいのショック療法が必要か。
極限までぶつけて、ようやく邪魔なものを取っ払った二人。
苦ーいあとにくる甘ったるさ。
素直になった都月は極上のツンデレだし、なによりあの三上のホクホク顔がたまりません。
甘さの中でこそ本領を発揮するセレブ・三上の実力もご堪能ください。
甲斐性ありまくりの理想の夫!いいよな~!
二人がまとまったところで、またカタカタする時宗先生も見られて満足です。

2件のコメント

現在コメントは受け付けていません。