『俺が両性なんて認めない!』 カノンチヒロ

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『彼の両性具有妊娠期』に続く、シリーズ4作目。
仲が良すぎる両親のせいで「性」に関して抵抗を持つ三上 桐。
だが本人の意に反して、学校ではなぜか同性からモテモテ。
心を許せるのは、自分をそういう目で見ることのない、幼なじみの湊だけだった。
自分は「男性」のままだと思っていた桐だが、18才のある日、突然初潮を迎えて「両性」としての人生が始まる     

那折と史の三上家のお話です。
相変わらず堂々とイチャイチャする三上夫妻と、完全に両親の影響で「性」に対してピリピリしまくっている息子・桐。
漏れ出す色気のために学校では男子たちに鼻息荒く追い回されて、桐はたった一人別世界に迷い込んでしまった可愛い生き物のようで大変そうです。
ゾンビのように何度も立ち上がり襲い掛かってくる男子たち…桐の目力…というかその存在のセクシー効果がハンパないです。
半径どれくらいまで有効なのか・・・
その魔力にあてられた思春期男子たちのみなぎる力が行き場がなくて怖い。
味方だと思っていた湊の目つきも豹変しちゃって、桐への思いのしつこさといい、いつかの史を思い出させます。
そうそう、あの人あんな目してた。
普段穏やかな人の豹変って本当に恐怖です。

でも桐は母・那折より繊細で硬派であるがゆえに、その生きにくさを思うと見てられません…かわいそうに…
そもそもがこの家の子だから、性的に特殊な環境で育つことは100%間違いないことで、生まれ落ちたからにはもう馴染むしかないんでしょうけど。
父・史の教育もなんだかズレてるし、光と円華(なんと妹も誕生!)がしっかりとまともそうに育っているのが不思議です。
いや、逆に桐が一番普通なのかな…?
円華は那折似の気配を感じますが、光兄ちゃんは史に似て頼りになる!でもきっとズレている(期待)!

史はさらに面倒見の良さや父親感が増している感じだけど、那折は相変わらずで(いい意味で)、小さな桐をからかう笑いが黒くて喜びでゾクゾクしました。
あの那折ですもの。

時宗先生はちょっとしんなりしてましたけど、オーバーリアクションはあの頃のまま!
指輪なんかしちゃって…♡
さすがに泰弘くんへの謎の思いを温め続ける…ということはなかったか。
真田先生も全然普通ぽっくない匂いがプンプンします。(期待)

桐と湊の関係もまだまだこれからというところだし、一宮ファミリーの絡みも今後期待しつつ、続きを待ちます!
で!続巻出たわけですが!
やっぱ光も三上家の遺伝子…とか思っていたら、一宮さんちの希くんが「誰似!?」っていう感じでしたね。
血走った湊にさらに油を注ぐ希くん。えげつな~
えげつないけど一宮家のメンバーとしては最高。
ヨウを大事にしまくる夫と息子。

すごく頑張ってるんだけど、ちょいちょい誘惑に負けてしまって桐のご機嫌を取る湊。
肉食が服着て歩いてる人ですから。
女のダイエット程度の抑止力ですから。
湊の欲望がたぎっているうちに、なんとか桐に素直になってもらいたい。
ドロドロに甘える桐を熱く望んでいます。
湊に愛してもらっちゃえよ!

光と希もこれから色々見せてくれそうでとても楽しみです。
やきもきする一宮夫妻とか見たい。
押せ押せの那折はもう見えている。
え~光がデレるのかな~?希ちゃんってドSだよね~?
期待がぐんぐん高まります。


最近見つけた両性具有関連の本が面白かったので紹介。

実際に両性具有(半陰陽)ということが染色体検査で判明した漫画家・新井祥さんのエッセイ漫画。
30歳までは女性として暮らし、結婚もしていた新井氏。
本にもあるように、両性具有のリアルな情報って圧倒的に少ないから、生きていく上で体当たりしないといけないことが多いんだろうな~
ていうか実際自分の周りには両性具有の人はいないから、読んでて「へー!へーー!!」ということばかりだった!そしてリアル!

両性具有はファンタジーではなく現実に存在するってことをかなり身近に感じられる本です!