『同級生』 中村明日美子

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同じ学校、同じクラス…勉強ができて物静かな佐条と派手で賑やかな草壁。
二人に接点は無く、ただの同級生に過ぎなかった。
ある日、一人で音楽の課題曲を練習する佐条を見つけた草壁は、佐条の練習を見てあげることになり…

絵は独特なタッチで、読み始めるとその甘酸っぱくてゆったりとした雰囲気が心地よかったです。
会話やツッコミのテンポも好きでした!
二人の出会いから高校卒業までを描いた 『同級生』 『卒業生-冬-』 『卒業生-春-』 をひとまとまりとして紹介したいと思います。
絵の印象から、繊細な人たちの繊細な話だと思っていたのですが、そうでもない。
原先生をはじめ谷君や、佐条の優秀さを「棚ボタ」「むしろバグ」と言ってはしゃぐバカ高校の先生方など、個性的なメンツが揃っています。
佐条もなんだかんだで変人の部類だと思うので、人間的にまともなのって草壁…?
草壁は犬のようでとってもかわいい。
「好き」という気持ちや、やきもちとかを真っすぐに伝えてぶつかってゆく姿はまさに青春という感じでした。
原先生と草壁の、ヤンチャな兄弟みたいなやり取りが何気に好きだった…
いや~原先生色々報われなくて、見るに堪えないという感じでしたが…永遠の当て馬…フフフ…♡
職権乱用して佐条との時間を楽しんだりして、でも結果的にいつも佐条の背中押してくれることになっちゃって、いい先生でした。
原先生の妄想の中では佐条がいやらしいばっかりなんですが、現実ではウブい男子なので、ラブの内容は高校生らしい爽やかさが残ります。
でもたまに、物凄くフイに草壁を激しくトキメかせる佐条の潜在的なスケコマシ力には私もヤラれてしまいました…!
草壁は健全に積極的な攻めという感じで、佐条のことを思いやったり空気読んで我慢ができるおりこうさんです。
ほんと、イイ子だから、佐条のお母さんと草壁の対面シーンは嬉しかった…!
お母さんが素敵だった~!

高校最後の時間を二人ともが同じ不安を抱えて過ごす同級生ならではの心もとなさ、それぞれの進路に進む寂しさが、とても優しく描かれていました。
寂しさの中でだんだん距離が縮まっていく二人がとても良かったです!
佐条はたまに会社員に見えてしまうくらいしっかりしてるから、堅実な人生を組み立ててくれるはず…金には困らないはず…
草壁は…お金はどうかわかりませんけども、きっと幸せにしてくれるだろうな~

二人や原先生のここから先のお話は 『空と原』 『O.B.』 へと続きます!

アニメ版↓

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