『ヨコシマのゆえん』 じゃのめ

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靖弘と優吾は生まれたときから一緒の幼なじみ。
だが、あることがきっかけで疎遠になってしまっていた。
高校を卒業して離れ離れになる前に、優吾ともう一度仲良くなりたいと靖弘の誘いで二人は卒業旅行に出掛ける。
そこで二人はなぜか閉じ込められ、自分の欲望を暴く謎の男が出現して     !?

不思議で、ハラハラしちゃうBLです。
隔離された世界で自分の欲望の形を突き付けられて、それと対峙する二人。
ちょっとゾゾゾッとするところもあるけど、優吾が人ならざるものに対して厳しく接するので、ほだされてしまいました。
人ならざるものたちのキョドる姿とブサイク加減がカワイイです。
私は怖いの苦手だけど、このお話はそういうカワイイところもあって大丈夫でした。

恋とは異性・同性にかかわらず、自分の気持ちがどんどん膨らんで、手に負えなくて、相手に押し付けてしまったりして苦しい。
隠そうとしたり、取り繕ったりするから後ろめたい。
そういう自分の気持ちを認めて、ただ大切だと思うことって勇気がいるよな、と思います。
不思議な出来事を通して、そんなドロドロした欲望に荒療治的に向き合うお話です。

二人は自分の気持ちを受け止めるのにもズルズル悩み通してきたので、ラブの方はこれからゆっくりかしら…と思いきや、どっこい靖弘くんがなかなかやりよります。
あなたそんな人だったの…と、軽く戸惑いますが、オスの顔をした靖弘くんに優吾目線でゾクゾクするのです…!
なかなかどうして、サクサクと積極的な靖弘くんであります。
ラブでの逆転劇は大きな萌えポイントでした。
…ので、もし前半で「靖弘ナヨーイ、ヘタレー」と思っても、どうかそのまま読み進めてもらいたいです。
ご安心ください、豹変しますので。