『ブルースカイコンプレックス』 市川けい

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相容れない、と思っていたヤンキ―・寺島となりゆきで図書室の受付係をすることになった楢崎。
意外にも心地よい落ち着いた時間を過ごすことができて、二人は徐々に親しくなる。
不愛想な寺島がだんだん懐いてくるのを喜ぶ楢崎だったが、受付係の仕事も終わってしまって…!?

今回は友達がたくさんいるタイプではないローテンションの二人のお話です。
楢崎は家族が賑やかだったり、寺島は心の中が賑やかだったりしますが。
楢崎のお兄ちゃんもこの弟にしてこの兄…という感じでいい味を出しているし、何といっても小さな弟ちゃんたちがそれはもう愛らしいです。
楢崎家の食事シーンも和む…

楢崎は真面目で成績もいいんですが、ズレていて…というかズレなさすぎて、独特の思考回路とテンションで、どちらかといえば変人の類だと思います。
何事にも動じることなく理性に忠実な生き物、それが楢崎です。
戸惑っていてもローテンションのまま自分の思考世界から出てきません。
超マイペースなのに決めるとこ決めてくるからなんか悔しい。

最初は野良ネコを手懐けるように静かな日々だけど、無言で居心地の良さを実感していく二人。
寺島サイドからのターンでは心の中でめっちゃ口数多くて、寺島の恋煩いにキュンキュンします。
楢崎の思考回路のナゾが解ける度に寺島とシンクロしてしまう。
そして寺島が、こう…何度身をすり寄せて甘えても、理性100%のツッコミが返ってくるわけです。
あのメガネの奥の理性が歯がゆい…!
楢崎の理性の鉄壁の前に何度となく崩れ落ちる寺島がもう不憫で…そっと肩をたたいてやりたくなります。
それでもちょっと楢崎に男っぷりを見せられると一瞬でやられちゃうんだよね~
オスの楢崎はすごいです、オスっぷりが。

あ~やっぱり高校生いいですね!
バカさが絶妙なんだよなぁ。
あと、なんかちょっとフェチ的になるんですが、市川先生の絵ですんごい好きなのが、立ち姿とか歩いてるときの体重のかかり方。
気まぐれな感じといいますか…ふらっとどこにでも行ってしまうような感じがツボなんです…
自分で書いてて「うわ~…」ってなってきましたけども、なかなか共感を得られないのでここに投げ込みました。すっきり。