『カラフルライン』 市川けい

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彼女ができてはフラれを繰り返す知生の慰め役になっている翔ちゃん。
いつものように泣いて悲しむ知生を慰めていたところ、「彼女と同じくらい翔ちゃんのこともすごく大事だもん」と言い張る知生に思わずキスをしてしまう。
「親友」から「恋人」へ、なかなかうまくまとまらないうじうじラブストーリー!

翔ちゃんの意気地なし!と大きな声が出そうになりますが、知生の突っ走り具合と二人の無言のやり取りがツボで、詰まることなく楽しい恋です。
うじうじうだうだしてるので、ラブは極薄味。
でも仕方ないのです。
翔ちゃん、乙女だから。

ぼたぼた涙こぼして泣く知生ですが、この人の天然のタラしっぷりが立派なんです。
気づいたらいつも知生のペースになっていてオロオロする翔ちゃん。
あんだけ押されて踏みとどまれる翔ちゃんの意気地のなさも相当ですけど。
懲りずにたんこぶこさえてがんばる知生の肉食度に拍手を送りたい。

そしてまた女性キャラが大活躍です!
朝美ちゃんのイライラしている姿に大いに萌えます。
決して性格の悪いイライラじゃなくて、単に男らしさのあらわれというか。(女子だけど)
それはもう激しいイライラを盛大にドカーンとぶちかましてくれます!
翔ちゃんとの犬猿ぶりが最高に好きでした。
会えばバチバチ、みたいな。
仲良くする気なんてさらさらない、舌打ちまみれの二人なのです。
翔ちゃんもまた朝美ちゃんに容赦ない。
ドッカンドッカン嫉妬心をぶつけていく乙女・翔ちゃん。
この人たち、そのうち超仲良しになるんでは…?
BL作品で活躍する女性キャラってすごい男らしくってかっこよくって大好きです。
うじうじと恋に悩む男たちよりサバサバしてるっていう。
翔ちゃんをあんなに雑に扱えるのは朝美ちゃんくらいでしょう。

ラストシーンは知生の深い愛が溢れていて、いい二人だなと思いました。