『僕だって君がいなけりゃたぶん。』 蔓沢つた子

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いじめられ体質のシオンは転校した小学校でもすぐにターゲットにされていた。
クラスの俺様・レオは、男子たちに笑いものにされているシオンの下半身に興奮する。
「これは 俺以外に見せたらダメな?」
そのレオの言葉にシオンは一生ついていくと決心し、大学生になってもべったりな二人だったが、シオンはレオとの関係に不安を感じ始めて…!?

安定の変態ラブです。
冒頭こそレオの変態ぶりが目立ちますが、シオンもおどおどしながらもしっかり変態です。
ちゃんと変態の人たちの濃ゆ~いラブです。

なんだかんだでさらっと相思相愛な二人のやり取りにシオンと一緒にツッコミを入れながら読みます。
変態×変態なのにバカップルさが健全過ぎる…!
言ってることとやってることが異次元過ぎてゾクゾクする…!!
とてもわかりやすい変態性を持ちながらも、とても素直でマジメ系俺様なレオ…
グイグイ引っ張っているようでいて、実は転がされている…という感じで花が咲くタイプではないだろうか。

が、ポテンシャルを秘めているのは断然シオン…!!
あの外面を覗いてみたらなんか色々属性出てくる…なにコイツただ者じゃないな……と、シオンの宇宙にいとも簡単に引き寄せられていく世間の人々。
まるで誰にも懐かないノラ猫のような。
動揺する姿でさえ悦び…
今まで独占していたシオンの魅力を、世間が認め始めた途端に焦るレオがかわいい。
シオンに夢中なレオと、そのレオを見て萌えるシオンのヨダレ顔がイイ。
どんなに理不尽に独占欲をぶつけられても、悦びつつ、しかし正確にレオを愛に導くシオン。
できた妻です。
いや、プロ彼氏?
そんなシオンがブチ切れてゴリゴリ押しまくる姿にわたしはキュンキュンしておりました。
主導権を握ったときこそ発揮されるシオンの底力にノックアウトです。
シオンの「乙女」と「鉄拳」のギャップがツボでした。

変態の受け皿は、より大きな変態であるということを学んだお話でした。