『好物はいちばんさいごに腹のなか』 蔓沢つた子

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猫を祖先に進化を遂げた人々の世界。
人型に近づく進化の過程で、オスもメスも区別なく子供を産むことができるようになった。
子供が欲しければ、発情フェロモンを出して相手を誘う。
猫耳・しっぽの美形たちのフェロモンラブ!

ふわっふわの猫たちが可愛くてラブラブで濃厚なお話です。
オス猫たちが盛りまくっています!
しっぽの動きがいい!猫度満点!
カズイは幸薄顔で最初は好みじゃなかったけど、マイペースな美猫のノアさんがブンブン振り回されるので、いつの間にかノアさん視点で可愛く見えてきました。
可愛くというか、愛を求める生き方が切実で、早くドロドロに甘やかされて幸せになってほしくてたまらなかったかった!
控えめだけど強かに幸せを追い求めるカズイを見てたら、そりゃぁ自分の懐で温めてやりたくなるよねノアさん。
ノアさんの想いはなかなかカズイにキャッチしてもらえないのですが、卑屈にならずカズイに手を伸ばし続ける粘り強さは純血の所以でしょうか。
言葉少なに、でも強引に愛のメッセージを伝えてくる美しい人って最高じゃないですか?
この二人、結婚後もラブラブさに磨きがかかっていって、え、子育てに必死で夢中な妻に飽きずに愛をささやき尚且つ当たり前のように協力的な美しい夫って何?最高じゃない??って思うしかありませんでした。
カズイの超ショートカット的な幸福論から飛び出す天然ボケに、取りこぼしなく反応するノアさんの嫉妬深さもギャップ萌えです。
純血の高貴なジェラシー、ごちそうさまです。

ヨネさん♡蓮ペアは、ヨネさんのオン/オフのギャップと大人のフェロモンがとても刺激的でした。
純血と雑種の間にある冷たい壁にキャリアを阻まれて辛い思いをしてきた蓮ですが、彼が遭遇する無邪気で人懐っこい純血猫たちの愛らしいこと…
イケメン好きにぴったりの仕事に邁進する敏腕マネージャー・ヨネさんと、彼のスパルタに愛情を見出して素直に自分の力にしていく真面目な蓮。
打てば響くような彼らの仕事人としての関係性も清いアドレナリンの分泌を促進します。
そこでうっかり漏れるフェロモン。
お漏らしフェロモンを何食わぬ顔でスッと引っ込めるヨネさんの硬さは、なんというか、非常に折ってしまいたくなる脆さを感じさせるというか。
フェロモンって本当に良いですよね。
ヨネさんの、理性と本能が背中合わせの大人の二面性って宝ですよね。
通り過ぎるはずだったこの恋の扉を開くのか。
見ないようにまっすぐ前を向いていた目線がその扉を捉えます。
ヨネさんが若い美猫の熱い想いにいよいよ追い込まれて、めっちゃ抵抗してたのにフェチで自爆するのたまりませんでした。
ヨネさんの本気のフェロモンはすごかった。

直親♡夜須田ペアもとても良かった!
自分の事務所の子たちには文武両道を課すヨネさんですが、息子の直親くんはおバカさんで可愛いです。
あの「母さん大好きチュッチュッチュッ」の直親が恋だなんて…早いのでは…とつい陰から見張っていたくなります。
しかし、さすが面食いヨネさんの息子。
直親の天性のユルさとイケメン好きの血が大暴走です。
きっぱりと顔で評価するところがさすが!
イケメンを持て余し、燃費の悪いフェロモンで一生懸命恋をする直親はおバカなところが美点です。
頑なに顔にこだわる直親を強引に攻め続ける夜須田さんのオスらしさに、わたしもフェロモン出そうでした。
仕事もできるし、運命より本能派なところもすてき~♡
直親にめっちゃ失礼なことばっかり言われてるのにめげないタフさも素晴らしい。
それにハマっていく直親がいよいよ可愛いです。
あのしっぽ、たまらん…しっぽ見てください絶対。
デレる夜須田さんにくらくらしました。
お互いの想いがかみ合ってからの幸せの谷に転がり落ちるようなラブラブ展開は何度読んでも心がデレてしまいます。

この子たちの次世代のお話が『好物はこっそりかくして腹のなか』です!
それぞれの血を濃く受け継いだ子どもたちが純血モデルたちも巻き込んで濃厚な恋模様を繰り広げてくれますので是非ともチェックしてください!

最後にもう一話収録されているお話は普通の人間のお話ですが、レベルの高い変態同士で、ショタで、おバカで、逆育成系…みたいな、さすが蔓沢作品!といった感じです。
つぐちゃんと琉加くんの病んだ愛情をこんなに甘く仕上げられるの本当すごい…
そしてこの二人が普通の人たちと共存してるのがすごい(笑)
デザート感覚で別腹にどんとおさめてください!
別腹といえどさすがの濃厚ラブです。

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