『日々蝶々』 森下suu

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生まれてこのかたどこにいっても注目を浴び続けてきた美少女・柴石すいれん。
目立たないように無口無表情でが染みついたすいれんだが、入学した高校でも誰からともなく”高嶺ちゃん”と呼ばれるようになる。
ある日、押し寄せる男子に迫られているところを同級生の超硬派な空手男子・川澄に助けられて…

何もかもがピュアとしか言えない。
こんなピュアな恋愛があろうか。
ピュアすぎて泣けるっていう…動物番組か!
ピュアって何回言っても足りないです。

まず、すいれんがなかなかしゃべってくれないので、川澄くんの名前呼んだだけで感無量っていうか。
「フリフリ」「こくり」も全然見飽きることはないのですが、すいれんがしゃべったときのあの時が止まる感。
男とはしゃべらないっていうのが、もはや都市伝説と化しています。
おお!しゃべった!と思ったら、「嫌い」の一言だったり、意思はハッキリ持っているすいれん。
話すことに慣れていなくてたどたどしくて、でも一生懸命自分の気持ちを伝えようとするすいれんに度々、陰ながら打ちのめされます。
感情が出るとこれまたカワイイ…
頑張るすいれん、悲しいすいれん、嬉しいすいれん、怒るすいれん、補習を恥じるすいれん…どこを切ってもかわいらしい…
すいれんの両親も溺愛するしかないですよね。
すいパパもすいママも愛に溢れていて大好きです。
川澄くんと囲ったあの無言の食卓、よかったですよね!
川澄くんもかなりの変わり種だけど、正々堂々とすいれんを守ったり幸せにしようと努力したり、大事なものを見失わないところが超かっこよかった…!
「会いたい」「今から行く」のくだりとか、抱きしめるとことか、トキメキすぎてオエッてなりました。
恋愛下手なくせにスパイスの利かせ方が天才的で、トキメキに体が追いつかないよ…!
最終回もめまいがするほどの漢を見せつけてくれました…お嫁にしてほしいよ~

あやちゃんとすいれん、りょうすけと川澄くん、後平くんと川澄くんの友情も良かった。
個人的にすいれんと一緒にいる後平くんがすごく好きだったな~
KYで強引な後平くん、かっこよかったです。
恋も友情も、相手の幸せを願う気持ちっていいなぁと思えました。

すいれんと川澄くんの恋は、好きな人が自分を好きっていうことの幸せで満ちていました。
両想いっていう言葉がこそばゆかったり、相手が自分がいる前提で未来の話をしたり、会っていない時も自分のことを考えていてくれたり、小さな一つ一つを手掛かりに相手の心を想像したり…
混じりけのない無垢な恋に喜んだり傷ついたりしていたときの居ても立ってもいられないような気持ちに浸ることができました。
思春期の頃の、心がむき出しだった自分を思い出しながら読んで浸ってもらいたいです!